2020年3月15日日曜日

【レビュー】Noble audio「M3」~使用・音質編~

先週のM3の開封編レビューに続き、
Noble audio「M3」の音質編レビューです。




いつもの開封編→音質編に比べると、
ちょっと鳴らした時間が少なめかもしれません。40hくらい??





■音質
少しですが試聴した際には特に何か尖った部分も感じず、
どちらかというと印象薄だったんですが、購入してじっくり聴いてみると
少なくとも現在は「結構個性的なやつ」という印象を持っています。

いい面で一番感じるのは低音の質の良さでしょうか。
私の中で低音と言えば手持ちではHyla「CE-5」なんですが、
CE-5の低音のパンチ力、インパクトを少し優しくして、
その代わり上品にしたような低音です。

それでも結構量感もありますし、インパクトも大きいんですが
空間のセンターを邪魔しないようにかなり位置的に低いところで鳴るので
他帯域をマスクすることのない、なんとも行儀のいい低音さんです。
(a)のように低音が空間のセンターに被らず、(b)のようにセンターを避けて展開される の図
絵心や説明力は壊滅的かもしれませんが、
頑張ってこの低音の空間での展開の仕方、配置・位置取りを図にすると
上のような感じです。

そして逆に高域はキラキラしています。
なかなかに・・・キラキラで、刺激的な印象で、
人によってはちょっと刺激が強い、つまりは痛いんじゃないかな?という気がします。

じゃあ、中域はどうなんだというと、例えばボーカルの立ち位置が控えめで
いつもと比べると一歩下がったように聴こえることが多いです。
高域のキレイさもあって解像感は高いんですが、距離をとって位置することが
多いので、中域は少々薄い印象になってしまうことも多く、
色々なイヤホンと聴き比べていると、特に女性ボーカル物を聴くことが多い私としては、
「うーん。比較しちゃうとちょっとボーカルの生々しさが足りないかな?」と
思ってしまうこともありました。
が、これは決して明らかにそこだけが抜けたような不自然な奥まり方ではないので
まぁ捉えようによっては「控えめで上品」と評価される方もいると思います。
傾向としては多いですが、例外なくいつもかと言われると
そうでもないこともありましたしね。


空間の使い方的には結構左右には広く展開して、そういう意味では
「せまっ苦しい」印象がありません。
ただ、じゃあ音場が広いと言えるかというと、それはまた違っていて、
音場に関しては狭いとか広いとかいうよりも、「音場感が薄い」という印象です。

一音一音の響き感が少なく、無駄に広がったりすることないので、
全体的にクリアにスッキリとした、キレのある音を聴かせてくれますが、
余韻が少ないのでホール的な演出をしません。いい意味でも。
そんなこんなで私には「音場感が薄い」と聴こえるんだと思います。
また、奥行方向の定位感も薄く感じられることもこの音場感の薄さに
繋がっているのかもしれません。

ちなみにこの良くも悪くも(好きも嫌いも)キレがいいけど(がゆえに)音場感が
薄いという感じ・・・final「A8000」に似てると思うんですが・・・どうでしょう。


■その他
私の知り得る限り、歴代のNoble audioのユニバーサルモデルの中では
間違いなく装着感はトップです。
形状記憶されている耳掛け部分はしっかり耳に沿って安定してくれますし、
ハウジングは薄いので耳から飛び出さず、
ステム部分の角度も(少なくとも私の耳には)ばっちりで、フィットします。
そのフィット感もあって遮音性も高く、音楽に集中できます。
それゆえに嫁の声は私の耳には届かなくなり、いつものごとく嫁はおこです。
もうお決まりの展開です。

そういえば嫁が欲しいというから買ったFiio「M6」、全然使ってる様子がないですね。
もう何も言わずにメルカリで売ってしまおうか・・・。


今回のこのNoble audio「M3」をまとめると
<良いところ>
・パワフルでも上品な低域
・高解像度
・キラキラと輝く高域

そして、↑要は「ドンシャリ」ってことになるんですが、
でも「大ナタ」感がなく、

・ドンシャリでも全体的に丁寧に、上品に聴かせてくれる

というのが最大の良いところな気がします。

<個人的にイマイチなところ>
・ボーカルの立ち位置が控えめすぎる(ことが多い)
・音場感が薄い

といったところでしょうか。

最初は印象薄だったM3くんですが、聴いていると味と個性がある気が・・・
地味に見せて実はじゃじゃ馬のような気が・・・
している今日この頃です。
なんとかうまく飼いならせないか試していこうと思いますm(__)m



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