2021年11月14日日曜日

Victor「HA-FW1000T」使用・音質レビュー~クリアにダイナミックに。これが最新のワイヤレス~

 Victorの完全ワイヤレスイヤホン「HA-FW1000T」を一週間ほど使いましたので、使用&音質編レビュー
を書きたいと思いますm(__)m

普通の有線イヤホンよりも機能的なものも多いのでいつもより少し長いかもです。主に
・HA-FW1000Tの音質全般について
・エージングについて
・高音質化技術「K2」の使用について
・ノイズキャンセリング機能について

という内容を書いています。
Victor「HA-FW1000T」


前回の開封レビューでも言いましたが、私はワイヤレスはこれが初めてなので、他のワイヤレスイヤホン
との比較という視点では書けません。
私の興味は「最新のワイヤレスって有線と比べてどうよ?」というところなので、その点ご了承くださいm(__)m


さて、早速ですが「ワイヤレスイヤホンってどうよ?」、その結論を書いてしまうと・・・


「ありだと思います」


というのが個人的な結論ですね。
そもそもなぜ私がワイヤレスを敬遠してきたかというと、主な理由は
1.リケーブルできたり有線のほうがカスタマイズ性があって楽しくない?
2.Bluetoothで飛ばす、そしてBluetoothの技術的制約上、どうしたって圧縮されて
  音質は悪化するでしょ?音質面で劣るのが明らかなのに使う理由もない
3.下手すれば年単位で前の話ですが、ワイヤレス派の嫁に促されたタイミングなんかに
  試聴してみたことはあるんですが、その際の体験が良くなかった。
  簡単に言うとその当時「音質がいい」と言われていたワイヤレスイヤホンであっても、
  まるでいいと思えず「やはいワイヤレスってこんなものか」というイメージが私の中で
  定着してしまった。

というのが主な理由です。
1に関してはまぁ変わることはないですが、2に関しては単純に勉強不足でした。
「詳しくは知らないけれどBluetoothはものっすごく圧縮する。転送できるデータ量には非常に
制限がある」と思っていたのですが、「aptX Adaptive」や「LDAC」のプロトコルならば、
96kHz/24bitまで対応できるんですね。世の中は進んでいました。
こうして私も「テレビ録画もできないおっさん」と化していくのでしょうか。
HA-FW1000Tは「aptX Adaptive」に対応


今回はこのFW1000Tを聴くにも、有線イヤホンを聴くにも、SONYの「NW-WM1A」を
使用しました。
ワイヤレスの場合はこのイヤホン内にDAC機能が搭載されていて、その機能でデジタル情報を
アナログに変換していると思うので、送信(プレイヤー)側を統一しなくても・・・とも思ったのですが、
念のためということで統一しました。
Victor「HA-FW1000T」と「HA-FW10000」
再生機器はNW-WM1Aで統一


聴き比べに使った有線イヤホンたちはこんなあたりです。


やはり聴き比べてみたいVictor「HA-FW10000」、地味に私の中で存在感を放ち続けるArtio「RK01」、
The鉄板のfinal「E4000」あたりです。





■HA-FW1000Tの音質について

前述した過去のワイヤレスイヤホン試聴時の体験では、どれを聴いても視界が晴れず、
靄の中にいるような、これぞTHE曇り感!という経験しかできなかったのですが、
このFW1000Tはそんなことはありません。ある一定程度使用することで、晴れ渡りクリアな
音を楽しむことができます。音色はドライで、音に芯や中心に重量感があるようなタイプではなく、
均一な印象ですね。

過去体験では低音は量感を演出(偽造)するために引き延ばされた、薄っぺらくてなんの密度感も
ないような低音が印象に残っていますが、FW1000Tではしっかりと迫力やパンチ力のある低音を
聴くことができます。「凝縮感」があり一点にぶつけてくる低音というよりは
もう少し全体に広がりのある低音です。

全体的に「ダイナミックな音」という印象です。
低域から高域までクリアに音を目の前の近いところに突き付けてきます。「どうだっっっ!!!」という感じです。
音が太いというよりは・・・目の前に大きく展開させると表現した方が正しい気がします。

ダイナミックに聴かせてくれる反面、繊細な表現、音場感、定位感みたいなところでは
ちょっと有線イヤホンに譲る印象です。
「有線イヤホンに」というよりも「有線イヤホンなら使える環境(DAC等)に」と言った方が
正確でしょうか。
このFW1000TがどんなDACチップ(SOC)を積んでいるのかまで調べていませんが、さすがに
この大きさに必要なものを詰め込もうとすれば難しいこともでてくるのかななんて勝手に思っています。
Victor「HA-FW1000T」と「HA-FW10000」
FW1000TとFW10000


とにかく眼前に、ダイナミズム溢れる音を展開するイヤホンです。
「録音されたその場(空間)を聴かせる(再現する・感じさせる)イヤホン」
というよりも
「より積極的にボーカルを、楽器を、その積極的に聴かせようとしている音を聴かせるイヤホン」
という表現もできるかもしれません。んーーー・・・伝わるだろうか。。

【追記】2021/12
ちょっとホワイトノイズが気になることがあります。
音楽等、音が流れ始めれば気になりませんが、
ふとした静寂の際にホワイトノイズが気になります。
しかもなぜか特にR側がより気になるような・・・








■HA-FW1000Tのエージング

「ある一定程度使用するっことで、クリアに晴れ渡る」ということを書きましたが、
エージング効果が大きいイヤホンだと思います。
実は開封直後の音は過去の体験同様に視界の晴れない曇った印象でした。
そこから使い続けることでみるみる印象が変わりました。クリアになりキレがどんどん増していった感じです。

この急激な差はArtio「RK-01」のケーブルを替えた時くらいの差です。
と言われてもこれを読んでくださっている方は「知らんがな」という話だとは思いますが、
たまにこういう劇的に変わる場面に遭遇することってありますよね。
Victor「HA-FW1000T」とArtio「RK-01」
劇的な変化を感じたFW1000TさんとRK-01くん


また、エージングの進行度は、このイヤホンにも搭載されているVictorさんの高音質化技術「K2」の
効き具合にも非常に大きく影響している気がします。
この「K2」に関しては後述します。


■HA-FW1000Tの「K2」機能について

エージングについての箇所でも出てきたこの「K2」ですが、ONにすることで
・特に中低域以下の低いところの肉付きを良くする
・頭内定位軽減

という効果をもたら気がします。
肉付きが良くなり、ある種多少「モワッ」とした空気感が出るので、ただただクリアさを求めるなら
OFFのほうが好きという人もいる気がします。

で、「頭内定位」のほうですが、エージングが進んでいない状況でK2をOFFにしてみたところ、
その頭内定位感=頭の中で音が鳴っているという感覚が・・・すさまじいものでした。

イヤホンにおいては頭内定位の問題というのは非常に知られた現象・問題かと思いますが、
今まで感じたことがないレベルで「頭内定位」でした。

そのレベルはそれはまぁすさまじく、私の脳みそが状況を理解できなかったためか、
心臓バクバク、動悸がしたくらいです。
「嘘つけ」と言われそうですが本当なんです。

あまりに心臓がドキドキして初恋を思い出したかと思いました。

ということで最初はK2をOFFでは私は聴いていられませんでした。
が、時間の経過とともに落ち着きました。やはりOFFにすると「脳内で鳴る」感じが多少強く
なる印象はあります。
常時ONで使うのかOFFで使うのかと言われれば、OFFだと定位感に違和感があるので
ONをおすすめします。
「ONでプラスがある」というよりも「OFFだとマイナスがある」というのが私の感想です。





■HA-FW1000Tのノイズキャンセリング

他のワイヤレスのノイズキャンセリング性能がどんなものなのか?このFW1000Tの
ノイズキャンセリング能力がそういったワイヤレスイヤホンと比較してどうなのかはわかりませんが、
初めてノイズキャンセリング機能を体験して、感じたことを書いておきます。

私はノイズキャンセリングって外界の音を根こそぎキャンセルしにいくものだと思っていたのですが、
違うんですね。少なくともこのFW1000Tのノイズキャンセリング機能は違うと思います。

指定した周波数の音を発することができるツールを使ってどのあたりをキャンセルしているかを
実験してみたところ150Hzあたりから下をキャンセルしにいってる感じでしょうか。
いろんな周波数の音を出してみてノイズキャンセリング機能を実験

その辺の周波数からキャンセルの強度が変わります。
ので、ノイズキャンセリング機能をONにしても外界の音がまるで聴こえない「静寂」にはなりません。
これが狙ってやっているものなのか、Victorさんのノイズキャンセリングの限界なのかは・・・
わかりませんが、周波数帯による閾値があるんだとすれば狙ってですかね。


■操作性

ちなみに操作性的なところでいうと、K2のON/OFFがなかなか言うこと聞かないことがあります。
K2のON/OFFはR側のフェイスプレート部分を4回タップすることで行いますが、
4回タップするという操作をしても無反応のことが結構あります。

フェイスプレートをタップすると「プッ」と電子音がするので、操作できていることは
間違いありませんが、無視されることがあります。
「コツ」的なものがあるのかと、タップするスピードやバッテリーの充電状況等、変えて試してみても
どうにも・・・変わりません。つまり今のところは「コツ」があるとも思えません。
ひょっとしたら私の操作の問題かもしれませんが、少々ストレスです。


<まとめ>

長くなりましたがこんなところでしょうか。まとめると
・クリアでダイナミックな音、表現
・近いところで鳴るので、例えば「ボーカルを近くで聴きたい」という方には〇
・定位感や繊細な表現はもう一歩
・少しでも定位感を正すためにはK2はONで

といった感じでしょうか。
やはり「音楽鑑賞しよう」という際には私は有線です。
「最近のワイヤレスイヤホンはすごいな」と感じると同時に、「やっぱり有線」とも思えて
なんかホッとしています。

ただ、ケーブルがありませんから有線イヤホンとはまた違った使い方が可能で、
ワイヤレスだからこそ活用できる場面があるのはいいですね。
Youtubeを聴きながらトイレに行っても少なくとも音は聴き続けられるわけです。

やはり有線派ではありますが、ワイヤレスはワイヤレスで大事に活用の場を見つけて使っていきたいと思います。
嫁には・・・あげません。


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