2021年2月13日土曜日

intime「翔DD」のレビュー~使用・音質編~

先日開封編レビューをお届けした、intime「翔DD」の使用・音質編レビューを書きたいと思います。



今回は同じintimeの「sora2」を所持しているので、こちらとの比較という視点で書くのがいいかなと思っています。
ちょっと価格帯が違うので、ひょっとしたらこの2モデルで悩む人は…いないかな…と思わなくもありませんが…。

intime「sora2」と「翔DD」
左:sora2 右:翔DD

結論を先に書くと以下の点で「翔DD」のほうが優位だと思います。
  • 2つのドライバー(ダイナミックドライバーとツイータ)のより高いレベルでの融合による違和感の低減
  • 中域のリアリティと表現の一貫性
  • 低音の充実(まぁこれは好みにもよります)
1つずつ説明します。







■2つのドライバーのより高いレベルでの融合による違和感の低減

カタログスペック上の構成は両機種とも同じ表記になりますが、この性質の異なるドライバーの融合が
一段上のレベルに到達している感じがします。
intime「翔DD」
背面からドライバーが透けて見えます

「sora2」の場合はVSTの影響が大きいであろう中高域が非常に細く表現され、ダイナミックドライバーによる
より低い音と馴染めていない感を感じることがありました。
これもこれで「味」であるとも捉えられますが、今回の「翔DD」のより高いレベルで融合できている
音を聴くと、やはりこちらが正解かなと思わされます。
中高域が変に刺さったり、線ぽさを感じたりすることがありません。



■中域のリアリティと表現の一貫性

上記ドライバーの融合の話にも関わってきますが、中域に「線ぽさ」がなくなりより太い表現ができるようになったことで
より多くのニュアンスを伝えてくれます。人間の声の決して綺麗ではないかもしれないけれど、
ざらつき感なんかもより再現出来ていて、結果リアリティに繋がっている気がします。

また、「sora2」の場合は中域、特にボーカルの表現が曲によってちょっとだけ揺れる印象があります。
先ほどから言っているように、曲によっては「線ぽさ」が強調されたり、曲によってはそんな細さは和らぐけど、
代わりに輪郭がちょっとぼやけ気味だったり…
対して「翔DD」の場合はキッチリ&どっしりとした太さが常に出せて、イヤホン自体の特徴が
変わってしまったのか?と思うような場面はありません。

■低音の充実

これは分かりやすいです。「翔DD」のほうが低音の量感が多いですし、より立体的に迫ってくるような
低音を鳴らします。ビジュアル的に例えるなら、嫌な例ですが、目の前にタバコを吸う人がいて、
タバコの煙をボワンッと吹きかけられたような。
別の例えをするとディズニーランドにあるプーさんのアトラクション。あれって途中で蜂蜜のツボを抱えた
プーさんにボワンッって煙かけられますよね?あんな感じの立体感と密度感のある煙が向かってくるような低音です。
ちなみに私はあのプーさんのアトラクション苦手です。あのボワンッの瞬間乗ってる乗り物が、
後ろに加速するのですが、その加速がなんか気持ち悪くて嫌でした。どうでもいいですね。

そして低音の質的にもちょっと違って、sora2の低音のほうが四角く硬く、翔DDの低音のほうが
より丸くて弾力ある感じ印象です。
個人的には質的には翔DDの低音のほうが好きですが、量としてはもうちょっと抑えてもらってもいいかな?
というのが正直なところです。
ただ、思うのは、この低音強化は上述のような中域の太さアップ等による存在感の改善が果たせたからこそ
できているんだろうなーと思います。たぶん、中高域の存在感sora2のまま低域を強化すると、
高域はともかくとして中域は埋もれてしまっていた気がします。想像ですけどね。

ということで、低音の量感だけはちょっと気にならないこともないですが、概ね翔DDのほうが
パワーアップしている・良い、と言えるんじゃないかなぁと思います。
ただですね。相対的に私はsora2を「ダメ」と言ってしまうことになるわけですが、決してそうは言いたくないのです。
翔DDは約25,000円に対して、sora2は6,500円なわけです。その差は約4倍。
そりゃー比べてしまえば翔DDがいいんですが、むしろsora2がこの価格でよく健闘しているとするのがフェアな気がします。


と、ここで話は変わって、今度は同じ価格帯のイヤホンと比べてみようと思います。
「20,000円台のイヤホン」というと私の中でパッと思いつくのが、Mee Audioの「PINNACLE P1」です。
この価格帯ながら空間を横方向に広く上手に使うイヤホンです。
MeeAudio「PINNACLE P1」とintime「翔DD」
左:MeeAudio「PINNACLE P1」 右:intime「翔DD」

最近手にすることも少なかったのっですが、引っ張り出してきて翔DDと比べてみました。
結論、どちらが良いかというと…

うーん…微妙…

ものすごーく楽曲との相性によります。
翔DDがどうのというよりも、PINNACLEちゃんが改めて聴いてみると、
これまた中高域が刺激的&個性的イヤホンなので、ハマったらいいけど、ハマらなかったら??ということになります。
女性ボーカルなどはハマれば非常にリアリティがあっていいのですが、ハマらないと輪郭のチリチリ感が
非常に気になったりしますし、ハイハットやシンバルの音など、骨と皮だけで実のないような
それこそほぼ「線だけ」のような音になってしまうこともあります。

と、いうことでPINNACLE P1と翔DDの比較は、
・よりオールラウンダーなイヤホンが良いなら翔DD
・中高域に刺激が欲しいならPINNACLE P1
という感じでしょうか。

またこのPINNACLE P1は能率が低いので、気軽にスマホ直挿しで…と考えていると
まったくボリュームがとれないということになりかねません。ボリュームMAXくらいなら…なんとかなるか?
というレベルで、基本的にパワーのあるプレイヤーを要します。
ので、スマホ直挿しで使用をお考えの方はお気をつけください。


以上、2本のイヤホンとの比較レビューを書いてみましたが、この翔DDは期待に違わず、
高いレベルでのまとまっているイヤホンだと思います。
低音の感じが万人受けするかちょっと私には分かりませんが、20,000円前後でイヤホンをお探しであれば
選択肢に入れていいのではと思います。
リケーブルも楽しめますしね。



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