2022年12月11日日曜日

DUNU「TALOS」の音質編レビュー~一番注目したいのはイヤーピース~

前回の開封編レビューに続き、DUNU「TALOS」の使用・音質編レビューです。

DUNU「TALOS」
DUNU「TALOS」





早速ですがこのイヤホンの特徴をざっくりまとめると
  • 音色はドライ
  • 解像感は高い
  • スッキリしていていいんですが、反対に「伸びやかさ」みたいなものは欠くところもあり、物足りなさを感じる人もいるのでは
  • 円柱形状が特徴的なイヤーピースは思っていたよりもいい。結構性格を変えてくれる。
  • ドライバー切り替えスイッチは、特にボーカルものを聴くのであればONがお勧め
こんな感じでしょうか。

■DUNU「TALOS」の音質について

まずは付属している中でも一番標準的なイヤーピースで試します。
先述したように結構ドライであっさりした音色です。
そのドライさゆえに余韻や「伸びやかさ」みたいなものには少々欠けるところがあり、粒子感も多少感じる気がします。
絵画で例えるなら、普通の水彩画や油絵に対して、「点描画」という感じでしょうか。
線ではなく点の集合で描かれる絵ですね。

点描画


ので、「なめらか」という感じではないかなという気がします。

絵画においては点描というのも表現手法のひとつであって、いいとか悪いという話ではないのでしょうが、
音においてはどうでしょうね?「なめらか」が正義である気もします。

中域~高域の「伸びやかさ」や「余裕」、「ふくよかさ」が特に欠けているような印象で、
そのせいか聴かせてくれる音楽全体としてもどこかパワーやエネルギーに欠けるような印象を持ってしまいます。
全体的に弾けきれない「窮屈さ」を感じます。

ただ、音楽を楽しく聴かせてくれるイヤホンではないかもしれませんが、反対に解像感や分離感は高いと思います。
そういう意味ではモニターっぽいとも言えるかもしれません。

私の評価基準としては結構重要な音場感ですが、広くは・・・ないですね。むしろ比較的狭いと思います。
残念ポイントではあります。




■円柱型のイヤーピースに変えてみる

ここまでは真ん中のグレー(のような薄いブルーのような)のやつを使用していました。
公式HPによると、
全周波数帯域で正確な再生が可能。ほとんどの音楽ジャンルに対応
と紹介されているものです。一番標準的なイヤーピースということでしょう。



今度はイヤーピースを円柱型の形状が特徴的なものに変えてみます。



これが結構いい気がします。
公式HPによるとこの円柱型のものの特徴は
ボーカルを強調し、ボーカルリスニングに最適

とのことですが、確かにグレーのものと聴き比べると、全然違います。

よりボーカルの押し出しが強くなり、音源(ボーカル)と聴き手の間の空間が晴れて明るくなるような印象を受け、
最終的にボーカルの実在感が増します。
円柱型(フラットウォール形状)であることに意味があるのかはよくわかりませんが、確かに違いを感じます。

また、ボーカルに限らず、全体的にエネルギッシュに聴かせてくれるようになる気がします。
「伸びやかさが足りない」「窮屈さを感じる」「エネルギーに欠ける」と前述しましたが、その点を改善してくれます。

ので、私は基本的にこの円柱型のフラットウォールと呼ばれているイヤーピースを使うことをおすすめします。
ちなみにカクカクした形状ですが、装着感が劣るということもありません。

■ドライバー切り替えスイッチについて

前回の開封編レビューでも紹介しましたが、このイヤホンにはドライバーを切り替えるスイッチがついています。

DUNU「TALOS」


スイッチ操作により
  • 平面磁気ドライバーのみモード
  • 平面磁気ドライバー+BAドライバーのハイブリッドモード
を選択できますが、個人的には
  • 平面磁気ドライバー+BAドライバーのハイブリッドモード
をおすすめします。
BAドライバーも追加することで、位相がズレることによるモヤモヤ感がでるということもありませんし、
何より、ボーカルものはハイブリッド駆動したときのほうがセンターへきっちりフォーカスされるようになり、
リアリティが増すという音質メリットも感じます。

平面磁気ドライバーのみモードだと、センターにフォーカスしきれずに左右に散らかり、全体的に「薄くなる」印象があります。

ということで、私的には
「フラットウォールイヤーピース+ハイブリッドモード」の組み合わせがおすすめです。
この組み合わせを基本に、曲によってイヤーピースを交換してみたり、スイッチのON/OFFをしてみたりすると
結構変化を感じられることも多いので、好みに向けて追い込んでいくスタマイズを楽しむことができます。

結構カスタマイズしがいを感じます


個人的にはもう少し滑らかさや「潤い感」のある音で、より広い音場表現ができるとさらに良かったかなという気もしますが、
イヤーピースを替えてみる等、カスタマイズすることでまた違った一面を見せてくれたりするかなと思っています(実はもう1種類のイヤーピースはまだ使っていない)。
デザインは格好いいですからね。より好みに寄せられるなら寄せたいところです。

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