2023年4月1日土曜日

日本ディックス「COREIR(コレイル)」レビュー~中高域のダイレクト感を堪能できるイヤーピース~

 日本ディックスさんの「COREIR(コレイル)」を購入したので、レビューしたいと思います。

日本ディックス「COREIR(コレイル)」




「COREIR」はイヤーピースの一部に金属を採用している変わったイヤーピースです。
今回はイヤーピースのスタンダード(だと勝手に思っている)である、
finalの「Eタイプ」と比較してみました。

結論としては違いも大きく、多くの方がその違いを体感できると思いますので、どう違うのかについて
詳しく書いていこうと思います。

まずはとりあえず開封です。

■「COREIR」の開封

パッケージです。普通です。




今回はMサイズとLサイズのセットを購入しました。
他にもSサイズやMSサイズも展開されています。





「金属コア採用」というところばかりに気を取られていましたが、シリコン部分にも一工夫があって
AZLAの「XELASTEC」のように「ペタペタ」と粘着性があります。
装着した際のグリップ感・ホールド感は良さそうです。

左:XELASTEC 右:COREIR


ペタペタ感は「COREIR」のほうがあっさりしている気がします。
そのせいか、ペタペタしているとどうしてもごみ等もついてしまい、汚くなりがちですが、
指紋の付き具合を含め、XELASTECよりもきれいに保てる気がします。
また、傘部分のシリコンはおそらく「COREIR」のほうがXELASTECよりも薄く、結果柔軟性がある印象です。



■「COREIR]を使用した際の音質について

今回は(も)finalの「Eタイプ」と比較しました。結論(違い)としては
  • COREIRのほうがダイレクト感やクリア感が増す
  • COREIRのほうが基本的に音像が近くなる
  • COREIRのほうが空間の空気感みたいなものは掴みにくくなる
といったところでしょうか。

左:final「Eタイプ」 右:日本ディックス「COREIR」


冒頭にも書きましたが結構違いは大きく、日頃final「Eタイプ」ではなくても、シリコンイヤーピースを
使用されている方は試してみると違いを感じ取れると思います。

違いについてもう少し補足すると、
イヤホンの出音部分から放出された音がシリコンではなく金属製の筒の中を通ることで
中高域が減退しないためか、ダイレクト感やクリア感が増し、音像が一歩寄ってくる感じがします。
音像をよりハッキリ&くっきり描き、よりキレが良くなったような印象になります。

もさっとした音が好きではない私としては歓迎の変化の方向性ですが、ちょっと気になるのは、
その場の空気感みたいなものが削がれているように感じられます。

低音が弱くなっているとは思わないのですが、中高域が減退せず非常にクリアに聴きやすく耳に届くためか、
中低域が相対的に目立たなくなり、空気感や音場感として捉えられるはずの情報がつかみ取りにくくなっている感じがします。
音像が前に張り出すし、目立つ中高域が目の前を陣取り、空間的な余裕がなくなることも関係するかもしれません。
ボーカルものだと目の前にドーーーン!と仁王立ちします。

ので、特にライブものなんかを聴くと、

「確かにボーカルや楽器の音色は綺麗に聴こえていいんだけど、ライブの臨場感や空気感が薄いんだよね・・・」

もちろん私には楽曲製作者の意図を知るすべはありませんが、
「確かにクリア感が増していいけど、全体的には普通のシリコンイヤーピースのほうが製作者の意図と近いような??」

みたいな印象になることもあります。

■まとめ

正直私なら、確かに普通の人には理解されない奇抜な形状や、装着感の難しさといった難儀な部分もありますが、
それでもクリア感と音場感や定位感の再現性がより高いレベルで実現できて
いると思う「JIJUJET2」を選びます。
が、このCOREIRでも通常のシリコンイヤーピースと比較すると、ダイレクト感やクリア感といった点で
明らかなメリット・違いがあると思います。

ので、つまりは使用する方の音の好みや、イヤホンとの組み合わせで、このイヤーピースがハマる
時に使えばいいと思いますし、ハマる場は必ず存在するであろう、ポテンシャルの高い独創性のあるイヤーピースだと思います。

・ボーカル(「推しの声」でもいいです)をもう少し近くに置きたい(感じたい)んだよな
・ボーカルが遠くに感じられるわけではないんだけど、なんか一枚隔てている感じがするんだよな

そんな方は一度試してみると、幸せになれるかもしれません。



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