2020年11月29日日曜日

JPRiDE「1984 FREEDOM」のレビュー

 JPRiDEの「1984 FREEDOM」というイヤホンを購入してみたのでレビューしてみたいと思います。
後でも触れますが、Amazonで購入できるイヤホンで、かなり評価も高いイヤホンのようです。

このイヤホンの存在は以前から知ってはいて、いつか買ってみるかと思っていたのですが、
先日値段が2,000円ほど下がっているタイミングを見つけたので購入してみました。
ちなみに私が購入したときの価格は4,300円でした。







「ハイブランドの音質を低価格で」を謳ってらっしゃるメーカーさんで、
このイヤホンの特徴としては なんといっても「ベリリウム振動版採用」というところでしょうか。
 少し前にfinal「A8000」で話題になったベリリウム振動版です。
A8000は「トゥルーベリリウム」ということで、振動板をベリリウムでコーティングしているわけではなく
振動板自体がベリリウムそのものなわけですが、この「1984 FREEDOM」がコーティングなのか…
はよくわかりません。 Amazonの商品説明には「加工が難しいベリリウムを採用」とあるので
振動板自体がベリリウムなんですかね? だとしたらコスパがすごいと言えるのかなという気もします。

■開封

早速開けていきます。 外箱です。コンパクトな外箱です。


おーぷーーーん。想像に難くない形で収まっています。

ドキュメント類です。
「30日間返品フリーサービス」はメーカーさんの直販サイトで購入した場合のみ対象のようです。
ちなみに上記でも書いた推しポイントの「ベリリウム振動版採用」ですが、箱にもドキュメント類にも
どこにも記載がありません。書いてあってもよさそうですけどね?
メディアでも取り上げられているようです。


本体です。商品写真を見ているともっと大きなハウジングを予想していたのですが、
意外とそんなこともなく普通の大きさでした。
ベントは天井部分にあります。


その他。ダブルフランジのイヤーピースも付属します。



■音質

まずちょっとエージングが必要だと思います。箱出し直後は中高域のシャリシャリ感とチリチリ感が
きつくてちょっと聴いてられませんでした。
エージング時間的には100hとか言わず数十時間でその点は落ち着くと思います。

エージングで落ち着いたとは言え高域にはエッジ感というか、とげとげしさ
みたいなものが残り刺激的な音です。

ボーカル域はかなり大人しく、引っ込んだ印象です。
ボーカルものを聴くことも多い私としてはもうちょっと前に出てきてくれないと厳しいな…
というのが正直な感想ですが、そもそもこのイヤホンはモダンロックやEDM向けのチューニング
ということで致し方ないことですね。

低域は「for EDM」というほどはドンドンした感じには感じません。
むしろ場合によっては非常にアタック感が優しく、立ち上がりがのんびりしていて、
量感はあれども刺激は少ない上品な低音に感じられることすらありました。
この点、なんかこのイヤホンはこの低音の鳴りに不思議さを感じます。
「低音」といってもより高い低音から、より低い低音まで相対的に高低があり、曲によって
配分も当然に違うんでしょうが、それでも「このイヤホンの低音の鳴り・量感」として
ある程度の一貫性があるものだと思っているのですが、このイヤホンに関してはそこの一貫性が
少なく?小さく?、曲によって量感が相対的に多く感じたり少なく感じたり、またアタック感を強く感じたり
逆に弱く感じたりします。
低域に属する帯域の配分によって変わるんでしょう…か??

一貫性がないというとネガティブに聞こえるかもしれませんが、「これが正しい」という可能性もなくはないですし、困惑しつつも面白いなと思っています。


メーカーさんサイトや商品説明欄には
"U10000円 最高"
"同業者が 「馬鹿なのか? と思うほどの価格」 で提供"
"価格が数万円を超える、いわゆる “ハイブランド” 商品に見劣りしない
 パフォーマンスを追求し、「これはホントにいい!」「これなら絶対買い!」など、
 オーディオ好きとしても本当に人に薦められる、魅力があるプロダクトだけを企画"

など刺激的な言葉が並びますが、同様に10,000円以内で高コストパフォーマンスとされる、
intime「SORA2」やKZ「AS06」と比較しても、確かに勝負はできると思います。
intime「SORA-2」
intime「SORA-2」
KZ「AS06」
KZ「AS06」

が、では上記「SORA-2」や「AS06」とこの「1984 FREEDOM」どちらを選ぶかと聞かれれば、
「SORA-2」や「AS06」を選ぶでしょうか。

「1984 FREEDOM」はエッジのきいたソリッドな中高域でスッキリと聴けますが、そのとげとげしさより、
滑らかさなんかが不足しており、中域の引っ込みと相まって、ボーカルものを多く聴く私にとっては、
ボーカルの生々しさや実在感に乏しさを感じてしまいます。
また音が平面的な印象もあって、個人的にはもっと立体感がある感じが好きです。
AS06はたまに少々過剰なホール感・響き感を感じることがありますが、それでもホール感がある
音場表現が好きな私としてはそちらを選んでしまいます。

■その他

最近同じこと言ってることが多い気がしますが、このイヤホンも結構音漏れはする方です。
電車の中での使用にはご注意ください。
ボーカルのボリュームもうちょっと欲しいよとボリューム上げていってしまって、
結果ボリューム自体大きくなりがちです。

商品写真を見ると結構ずっしりとした重量感があるような印象ですが、全然そんなことなくて
とても軽いです。ので重いイヤホンは苦手という方も問題はありません。



なんだか全体的に随分と辛い内容になってしまった気もしますが、バラードやボーカルを聴く人間が
「モダンロックやEDM向けチューニング」を謳うイヤホンをレビューしてしまっているのも大きいかもしれません。
そういった音楽をよく聴く方にとってはより最適な選択肢となる可能性は十分にあります。

しかしもし「中華イヤホンを除く」とすると、意外とこの価格帯でこのクリアネスを実現できる
ものは多くはないかもしれないので、そういう意味でも選択肢になり得るかもしれませんね。
見た目的にもintimeさんのイヤホンとはイメージがだいぶ違いますし、意外と棲み分けになっているのかも
しれません。実際売れているようですし。


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