先週開封編をお届けしたradius「ドブルベヌメロキャトル」の音質編レビューを記載しようと思います。
標準の装備でも一聴の価値は見いだせると思いますが、リケーブルを試したところ
そこからさらに1段飛躍できたと思います。
radius「ドブルベヌメロキャトル」 |
早速ですが
■radius「ドブルベヌメロキャトル」の音質について
まずは標準装備=付属のケーブル&イヤーピース、での感想です。
簡単に言うと、
「上手いこと2種類の振動板を不自然さなく融合させてるな」
より音的な言い方をすると
「分厚い低音とピエゾ振動板による鋭利な高音。異質なものを同居させているようでいて、
うまいこと低域の表現や中域でつないで、異質感が少ない、破綻しない音に仕上げているな」
という印象ですね。
全体的には柔らかい印象ですが、中域には中域の存在感、芯があって、ただ「柔らかいですね」だけ
では言い表せていないものがあります。
姉妹機の「ドブルベヌメロトロワ」も聴いてみましたが(こちらは試聴です)、より全体的に
丸く優しい印象で、比較的硬めの音が好きな私みたいな人間にはヌメロキャトルのほうが合っていると
思います。
前述しましたが、基本的な特性としてピエゾ振動板が担当する高域は鋭利で
「シュピーン」としています。
対して低域は分厚く、ムワッとした量感・空気感・拡がりがあります。まるで性格が別の音という印象です。
このままいくと全体としては、特性の違うものを無理やり同居させた違和感満載になりそうですが、
そうはさせないところがさすがと思います。
まず、低域は分厚く量感もあり、視界全体に拡がるので存在感は十分です。
「低音モリモリ」は特に望んでいない私にとっては存在感がありすぎるくらいです。
ただ、立ち上がりが非常にゆっくり、穏やかに感じます。
これにより量感&存在感はあるけれどパンチが強すぎない、他の音と馴染む低音になっている印象です。
次に、中域がいい具合に上記高域の鋭利さや主張と低域の丸さ、マイルドさを持ち合わせています。
中域は2つの振動板のうち「ムワッ」とする低音を出すベリリウムコーティング振動板のほうが
担当しているそうで、確かにそうだと思えるような厚みが感じられます。
しかし決して輪郭がはっきり立っているような、エッジが感じられる音ではないのですが、
分厚い低域の中でもきちんと独立性があって、低域に埋もれたり、靄がかかったような
歯切れの悪さがありません。
音なので当然ながら画像ではないのですが、画像的な例えをすると、
低域のレイヤーと中域のレイヤーが別で、中域のレイヤーのほうがより上位(耳に近い方)にある
といった感じです。
いくら後ろでいかつい低音が存在していても、中域はそれよりも上のレイヤーなので
見えなくなることはありませんよ、と。
伝わるのか・・・自信はありません。。
radiusさんの公式HPによると
”中低音域と高音域2つの音を独立した振動板に振り分け”
ということで、ネットワークでも組んでいるのか?「振り分け」ているんだそうなので、
説明通りだと中域はムワッとする低域を発する振動板から発せられているということになるわけですが、
少しは中域もピエゾ振動板から出てるんじゃ?恩恵があるんじゃ?と感じるくらい
うまいこと高域と低域の両方の特性を持ち合わせて、両者を取り持っているように感じられます。
まぁ「どこからが中域ですか?」という定義にもよるでしょうから、
「定義によっては中域に分類される周波数帯もピエゾから発せられていますよ」なんてことも
あり得そうです。ちょっと詳しくは分かりませんが。
空間表現という意味では量感ある低域が全体に拡がるので、閉鎖感があります。
低域が空間を喰ってしまうので、音場表現という点ではちょっと私の好きな感じではないかなぁ
というのが正直なところです。
この点が後述するリケーブルによって格段に良くなるんですけどね。
■ドブルベヌメロキャトルをリケーブルしてみる
と、言うことでリケーブルのお話です。
今回使ったのは、NIDEON「NMC-100」です。このケーブル、いいお値段もしますし、いいケーブル
だと思うんですが、なかなかハマるところがなくて遊んだ状態になっていたので、居場所を見つけたかった
のです。要は「もったいない」という貧乏根性です。
NMC-100にリケーブルしたドブルベヌメロキャトル |
これが結構当たりだったと思います。音的には。
この「NMC-100」にリケーブルすることで、個人的には格段に良くなりました。
まず、「高域~低域までうまくまとめてます」というのは本当なんですが、中低域が厚めなので、
個人的な好みとしては、もう少しスッキリさせたいなと思っていました。
その点、リケーブルしたことでスッキリと整理され、ボーカルもより輪郭が出るようになり、
それにより実在感も増したと思います。私の好みに寄ってくれました。
また音場表現という意味では、空間の抜けが格段に良くなりました。
そして中域~高域の音の響きがより把握しやすくなり、そのレコーディングされている場所の空間的広がりと、
その空間を走って音が拡がっていく様がより把握できるようになりました。
と、音的には非常に良くなったと思うんですが、装着感的には・・・難儀です。。
この「NMC-100」、硬くて重いのです。。
このケーブル硬いです。。重いです。。 |
このイヤホンは大人しくケーブルはイヤホンの下側に出すことを前提に、ステムに若干の角度が
ついているので、上記写真のようにshure掛け(耳掛け)での運用は向かないと思います。
しかし、NMC-100を下側に垂らすと重い・・・
重さのせいで装着状態で安定してくれません。
苦心の末になかなかに安定してくれる装着方法を見つけたのですが、
こう↓いう若干複雑なことになります。
この装着方法で外を歩くのは・・・おかしな人と思われそうで、ちょっとレベルが高いです。
ちなみに結構イヤホンの装着の仕方を間違って使ってる方が多い気がするのは私だけでしょうか?
shure掛け前提のイヤホンでも掛け方がわからず(?)に耳に掛けずに使用されている方。
さらにそこから派生して左右を逆にして使用している方・・・等、人様のイヤホンを観察していると
結構いらっしゃる気がします。
見つけると「すいません。間違ってますよ」と声をかけたくはなるのですが、基本的に全員男性なので
スルーしてきています。女性でお願いします。
まとめると、低音の太さや厚みの中にもきっちり中域~高域の存在感も光るいいイヤホンだと思います。
このバーカンディー(赤)色もなかなかない色なので、「この色がいい」という方も
いらっしゃりそうです。
個人的にはケーブルを変更することで音的にはより追い込める気がしますし、
開封編レビューでも書きましたが、ハウジングのプラスチッキーさが改善されれば、
モノとしての満足感もより満たされる1本だと思います。
私が購入した1週間前よりも3,000円以上安くなっており悔しいです・・
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