2022年1月16日日曜日

TinHiFi「T2 PLUS」レビュー~ニッケル亜鉛合金ドライバーってどうよ?~

 明けましておめでとうございます。
今年2022年最初のイヤホンレビューはこのTinHiFi「T2 PLUS」となりました。
Amazonを見てると良く出てきていたので存在は知っていましたが、特に興味がそそられるわけでもなく・・
触手が伸びませんでしたが、きっかけがあってこのイヤホンを買ってみることになりました。
TinHiFi「T2 PLUS」


2019年の年末当たりからfinal「A8000」の「トゥルーベリリウム振動板」等、「ベリリウム」が
ドライバーの振動板の素材として注目された印象です。
が、今はそのベリリウムよりも強度の高い「ニッケル」らしい?という話を耳にし、ニッケルを
用いたイヤホンってあるのだろうか?と探したところ見つかったのが、まさかのこのよくAmazonで
目にしていたイヤホンでした。
(ちなみにニッケルのほうが硬いといっても、こちら↓によると、硬さを測るある指標によると
という話であって、別の指標だとベリリウムのほうが強度は上だったりするんだと思います。

正直お値段的にも6,000円程度であり、そんなに・・・特に期待することもなく購入しています。。

とりあえず届いたイヤホンを開けましょう。
ちなみに今回は開封編と音質レビュー編をまとめておおくりします。




■TinHiFi「P2 PLUS」開封

意外と悪くないパッケージングで届きました。
KZなんかよりよほどワクワク感があります。個人的には。
ちょうどスマホと同じくらいの大きさの箱です。
TinHiFi「T2 PLUS」外箱

TinHiFi「T2 PLUS」外箱


中身を出すと、これまた結構ちゃんとしてる感があります。
日本人的にはなんか屏風とか「和」を思い出させるデザイン性です。
TinHiFi「T2 PLUS」箱



蓋を開けると早速イヤホン本体がお目見えします。
わかりにくいですが皮風のデザインが施されていて、一瞬は高級感を感じなくもないです。
とりあえず本体は置いておいて、本体の下の部分には付属品とドキュメント類が入っています。
TinHiFi「T2 PLUS」

TinHiFi「T2 PLUS」付属品


付属品は
・イヤホンケーブル(MMCX)
・シリコンイヤーピース各サイズ
・フォームイヤーピース1サイズ
です。ケーブルは銀メッキ銅線のようですね。OFCなら「OFCです」と書いてあると思うので
おそらく同線はOFC(Oxygen Free Copper)ではないのでしょう。
TinHiFi「T2 PLUS」付属品


ドキュメント類は取扱説明書(英語&中国語)と・・・なんですかねこれ?
「全ての人々にも高品質の音楽を楽しめる!」と書いてある何かです。
意味は分かりませんが心意気だけは伝わってきたような気がしなくもないです。
TinHiFi「T2 PLUS」説明書


イヤホン本体です。
綺麗な造りをしています。つなぎ目に段差があったりすると「造りが雑だなぁ」とテンションが
下がるんですが、そんなことはなく綺麗です。
ちなみに本体はアルミニウム合金だそうです。
TinHiFi「T2 PLUS」

TinHiFi「T2 PLUS」


ベント孔は2か所に空いているようです。
出音する部分のメッシュはかなり細かいですね。この辺りも造りは綺麗です。結構個人的には
このイヤーピースを外した時に見えるメッシュ(グリル)部分が雑だったりするとげんなりします。
TinHiFi「T2 PLUS」

TinHiFi「T2 PLUS」


付属のケーブルを装着するとこんな感じです。
かたくて装着する際に結構力を込めました。
Amazonの写真だとケーブルのMMCX部分に左右の別が判別できるような色の違いはないのですが、
購入したものはご覧のように左右の別が色で識別できるようになっています。
(R側は赤色でマークされています)
TinHiFi「T2 PLUS」

TinHiFi「T2 PLUS」付属ケーブル


分岐部分にはメーカーさんのロゴが入っています。まぁよくあるやつですね。





■TinHiFi「P2 PLUS」の音質レビュー

同じような価格帯のintime「碧(SORA)-2」と比較を交えて書こうかと思います。
まずこの「P2 PLUS」の印象をまとめると
  1. 中域以上の音の輪郭を引き締めて、鋭利に表現するのでスッキリと聴ける
  2. とは言え、少々楽曲とのマッチングが難しい(合う合わないが激しい)印象
  3. 中でも比較的合うものはボーカルものの印象
こんな感じかなと思いますが、楽曲とのマッチングが難しいといった通り、合うときは好印象を
得られますが、そうではない時もあり、自分の中でもなんとも・・・書きにくいなぁなんて思っています。
できるだけこのイヤホンの特徴と言える要素をピックアップしようとはしていますが、
楽曲との組み合わせによって感じ方が変わりそうで、正直ちょっと自信がなかったりします。。
が、書いていきます。







中域~高域は輪郭を引き締めて、比較的細く鋭利に表現します。
ので私のように比較的硬めの音が好きだったり、輪郭がぼやけたり流れたりして、
全体的にモヤッとした感じが出るのが苦手という方にはハマるかもしれません。

「碧(SORA)-2」と比べても明らかに輪郭周りがスッキリして、抜けもよくなります。
TinHiFi「T2 PLUS」とintime「SORA-2」
左:TinHiFi「T2 PLUS」 右:intime「碧(SORA)-2」


が、高域に行けば行くほど鋭利&肉付きがなくなり、余韻、音の響き、ふくよかさ、伸びやかさみたいなものが
足りなくなって少々骨骨しい感じというか、「カスカス」感が感じられてしまいます。

人の声の帯域ならまだ結構ハマることも多いですが、楽器ものはちょっと・・・
例えばバイオリンの音の伸びやかさや響きの豊かさが削られてしまっているように感じます。
(チェロぐらいならいける)

以前に何かのイヤホンレビューでもたい焼きに例えてみたことがある気がしますが、
再びたい焼きに例えるなら、

”確かにあんこがたくさん詰まってる方が一般的には
「いいたい焼き」だけど、でも限界まで皮を薄くしてその分あんこを詰めたたい焼きは
本当においしいたい焼き?皮とあんこのバランスが大事でしょ?
皮を薄くしてあんこ詰めれば詰めるほどいいってもんじゃないでしょ?”

という感じです。輪郭や音像を曖昧にするからと言って、付帯する余韻や響きをごっそりなくせば
いいというものではないと。いや。「たい焼きは皮が薄いのが正義だ」という方がいたらごめんなさいm(__)m

と言うことで、日頃はボーカルメインで聴くという方のほうがお勧めです。
ボーカルを「碧(SORA)-2」と聴き比べても、結構いい感じに輪郭を引き締めてシャキっと
させてくれることが多いです。

低音は少々控えめでしょうか。少なくとも「碧(SORA)-2」よりは存在感的には控えめに感じます。
が、これは低音自体が出ていないというよりも・・・音の広がりや余韻を抑えるというこのイヤホンの
傾向ゆえに、低音のアタックからの広がりがやはり少なく、じわっと空間に広がる感じが少ないからな気がします。

空間表現や定位感的には悪くないと思います。
が、正直この辺を感じ取るには、それこそ音の余韻や響きといった、たい焼きでいえば皮の部分の
表現・再現をどうするかというところが多分に関わってくる気がして、
楽曲によってはイマイチと感じることもあるのかなぁと若干の不安要素もありますが・・
6,000円ですからね。そもそもそこまで求めることが間違っているのかもしれません。

と言いつつ気になったので、FW10000とオーケストラもので聴き比べたところ、
やはり空間の表現力、特に奥行方向の表現・再現力に関してはFW10000のほうが緻密な再現が
できます。ですが、まぁ100,000円オーバーのイヤホンと6,000円のイヤホンを比べても・・
ね・・・という話です。


と、こんなところかと思います。
なんというか帯域による個性も激しいため、楽曲ごとに楽器構成等でどこの帯域が目立つかによって
印象も変わってしまい、一定の法則性を見出すのが難しいイヤホンな気がするんですが、
それでもどんな方におすすめなのかを書くとすれば、

”主にスタジオ録音のボーカルものを聴く方で、今のイヤホンだとボヤついた印象を受けていて、
よりクリアにシャキッとさせたい。そして値段は一万円以下でよろしく。”

という方でしょうか。
どんな楽曲でもオールマイティにこなせますよというおすすめはできないんですが、
ボーカルもの特化の用途なら力を発揮してくれる場面も多いかなという印象です。

私には難しくてイマイチ歯切れの良くない内容になってると思いますが、
比較対象とした「碧(SORA)-2」のレビューで他の同価格帯イヤホンと比較した際には
「総合的には碧(SORA)-2」と結論付けていて、その「碧(SORA)-2」よりも
局所的でスイートスポットが小さめであれ、よいと思える部分があるわけですから、
同価格帯では使いどころのあるイヤホンなんだと思います。

「ニッケル」という素材に注目して購入してみたわけですが、ニッケルという素材は
音響的に難しかったりするんですかね。


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