いつも個人的に愛用しているLIZER LABさんの「JIJU」シリーズに最新モデル「JIJUFIN」が出ていると
読者の方に教えていただき、早速購入して使ってみたので、レビューを書きたいと思います。
教えていただいた方、ありがとうございますm(__)m
LIZER LAB「JIJUFIN」 |
私は日頃から愛用しているので、私のブログでも当たり前のようにJIJUシリーズが出てきている気もしますが、
初めて見る方にとっては「この奇怪なイヤーピースはなんぞ?」という話だと思うので、改めて説明します。
このイヤーピースこの金属が見えてる方を耳に入れるんですよ。
既にJIJUシリーズ知っているという方は、いつもの開封まで飛ばしてくださいm(__)m
このLIZER LABさんの「JIJU」というシリーズのイヤーピースは、イヤホンで問題になる頭内定位の
解消=頭外定位を目指して開発されたイヤーピースです。
イヤホンで音楽を聴くと「頭の中で鳴っているような感じがする」というあれですね。
この頭内定位に対して「頭外定位」というんだそうです。
コンサートに行った時のように、ちゃんと自分の前方方向で鳴っている体験を再現するということで
「前方定位」ともいうようです。
「謳い文句はいいけれど、実感できないよ」という製品はオーディオの世界に限らず世の中にはたくさんある気がします。
シャンプーの「シルクのような指通り」って何十年前から言うとるねん。と思います。
しかしこのJIJUは、イヤホンとの相性にもよりますが、きちんと謳い文句のとおり
頭外定位・前方定位を実感できる、素晴らしいイヤホンです。
また、これまでJIJUシリーズの中でも「JIJU」「JIJU-JET」と使用してきましたが、
このJIJUシリーズのポイントは、前述した前方定位感が得られるだけではなく、単純に音の質がいいです。
左:JIJU 中央:JIJU-JET 右:JIJUFIN この金属が見えている方を耳に入れます |
金属製のプラグで共振対策等をされているからなのか、音の輪郭が締まり、一音一音の粒立ちや
独立性が素晴らしいです。
JIJU-JETだとその広い音場再現力と、一音一音の独立性が相まって、非常に抜けのいい、
曇りのない空間を表現してくれます。
前書きが長くなりました。いい加減開けましょう。
■LIZER LAB「JIJUFIN」開封
Makuake storeで購入しました。ボールペンと、ご丁寧に手書きのメッセージもいただきました。
きっとMakuake storeだから入ってるんでしょうね。
あ。こちらこそありがとうございます。いつもJIJUシリーズにはお世話になっていますm(__)m
JIJUシリーズは必ずこの小さな眼鏡ケースのようなケースに入っています。
私はいくつも購入しているのでどんどん溜まっていきます。すごくちゃんとしたケースということもあって、
貧乏性の私は・・・捨てられないんですよね・・・
ちゃんとしたハードケースです |
JIJUFINの本体です。
JIJU-JETと比較してみると、結構いろいろ違います。
このJIJUシリーズ、構造がどんどん複雑になっていっている気がするのは気のせいでしょうか。
形状的な違いとしては
- まずは何といってもJIJUFINではその名の通りFIN構造がある
- プラグ先端の形状が尖った形状から、球形に変更
- 金属プラグ部分の孔の数が減り
- カップ部分に通じる孔の数が増えた
- プラグ先端の孔の大きさ変更
といったところでしょうか。カップに設けられた、外部に音を放出するための孔の位置も若干異なりますね。
あとは孔の大きさも違う気もするんですが・・・気のせい・・・か?
左:JIJU-JET 右JIJUFIN JIJUFINには特徴的なFIN構造がある |
プラグ先端の孔の大きさも違います |
カップの孔の大きさも違う気もするんですが・・・ |
ちなみに、このカップ部分、JIJU-JETよりも肉厚なのか硬度が高いのか・・・JIJUFINのカップのほうが
よりしっかり感があるような印象なのですが、これも気のせいだろうか・・・
電子ノギスで測ってみようと思ったのですが、電池切れでした。。
■JIJUFINの音質について
JIJU-JETとの比較ということでおおくりしようと思います。
感想としては、「JIJU-JET」は「JIJU」の正常進化版、上位互換というイメージですが、
この「JIJUFIN」は「JIJU-JET」の正常進化版という印象ではなく、「また別の良さ」という印象です。
短くまとめると
- 一音一音の情報量、リアリティではJIJUFINに軍配
- 定位感、空間再現力ではJIJU-JETに軍配
と感じました。
JIJUFINの写実性
どんな音を奏でる楽器もボーカルも、「核となる一番おいしいところ」とその周辺の要素があるんだと思うんです。
(そういうのを表す音楽用語とかあると思うんですが、すいません私にはわかりません。。)
バイオリンなら音楽的ではない弦同士が擦れる摩擦音や、ボーカルなら多少のかすれ声の要素なんかです。
JIJUFIN + HA-FW10000 |
そこでいうとJIJU-JETは音の「中核の一番おいしいところ」にフューチャーすることで、
多少細身ながら綺麗な音を届けてくれます。
対して、JIJUFINはその美味しいところだけではなく周辺の要素も聴かせてくれます。
「解像感」とはちょっと違う気がしますが・・・
よりフィットする表現を探すと、一音一音がより「写実的」という感じです。
「綺麗なものばかりじゃないんだぞ。現実とはこうだぞ」と。もちろんこれはいい意味で言っています。
(※うちの最愛の妻はいつも綺麗です)
写実性とはつまりリアリティです。私はJIJU-JETが聴かせてくれる音にほれ込んでいましたが、
今回JIJUFINと聴き比べをして、「あ~やっぱりちょっとJIJU-JET細いところあるよね」
「なにかそぎ落としているものあるよね」と再認識させられました。
JIJUFINは基本的に音像が近め
JIJU-JETとJIJUFINを比べると、JIJUFINのほうが基本的に像が近いです。
私はむしろ距離を取ってより俯瞰的にその場を感じるのが好きなので、この点はJIJU-JETのほうが好きですが、
「ボーカルをより近くに感じたい」というような方には前述した写実性ということも含めて
リアリティーを感じられて、ハマることも多い気がします。
「気がします」という表現に抑えたのは、これが悩ましいことに人によってはJIJU-JETの「美味しいところ押し」のほうがリアリティを感じられることがあるんですよね・・・
Lisaさんの声なんかは私はJIJU-JETのほうが合うと感じました。
まぁこの辺は極論どんな製品でも、聴覚×感性×イヤホン×イヤーピースの掛け合わせなので、
言い出したらきりがないですね。
JIJUFINの音場・空間表現
そもそもJIJUFINはJIJU-JETよりもコンパクトな空間表現を目指して開発されたようですので、
やはり「どちらが広い空間表現ができるか?」と言われたら断然にJIJU-JETです。
コンパクトな空間表現を目指しているわけですから、それはそれでいいと思うんですが、
「一音一音の響き感はもっと広い空間のはずなんだけれども、全体的にはよりコンパクトな空間表現をする」
というチグハグさを感じることがあります。
あと空間表現周りで感じることは、奥行方向の定位感、距離のコントラストの再現性という点では
ちょっと・・・JIJU-JETと比較すると距離のコントラストが薄く、比較的全部の音がずらっと
横並びのように感じられるんです。
私はJIJU-JETが再現してくれる空間の立体感が大好きということもありますが、
純粋に空間再現力はJIJU-JETのほうが上手だと思います。
私的にはこの点はJIJU-JETに軍配ですかね。
■まとめ
ボーカリストや楽器の音や録音されている場のリアリティ、臨場感をどのように伝えますか?
と言われたときに
- 一音一音の写実性という質でアプローチするJIJUFIN
- 音の「美味しいところ」に特にフォーカスし、プラス空間の表現力&再現力でアプローチするJIJU-JET
と、それぞれアプローチがちょっと違うように感じます。
「友達にJIJUFINとJIJU-JETどちらをすすめるか?」と言われたら・・・
非常に迷います。「人によります」「場合によります」と言えばそれは真実なんですが、
しかしそれではつまらないので、無理やりにでもどちらか決めるとすると私は・・・
JIJU-JET
です。
理由はやっぱり私はJIJU-JETの他にはない空間表現力や抜け感が好きというのと、JIJUシリーズを知らない人に
試してもらったときに、普通のイヤーピースとの差がよりはっきり感じられるのはJIJU-JETのほうだと思うからです。
JIJUFINは普通のイヤーピースと比べるともちろん前方定位感はありますが、
コンパクトな空間表現&近い音像ということで、JIJU-JETと比べると比較的普通のイヤーピースに近い印象です。
私はイヤホン仲間に違いを、普通じゃないものを感じてほしい。
ということでJIJU-JETをすすめたいと思います。
問題はそんなイヤホン仲間がいないことですね。
最近同じようなコンセプトと思われるintimeさんの「iReep01」のレビューも書きましたが、
JIJU-JETよりもコンパクトな空間表現という意味ではJIJUFINに似てるなと思います。
思いますが、音の鮮度が全然違いますので、もしそれ以上の広大な空間表現は要らないけど、
「iReep01の前方定位感とかいいと思うんだけど、でも全体的に鮮度が低いよね。」
「もうちょっと解像感欲しいよね」
「全体的に空間が晴れなくてモヤモヤするんだよね」
そんな方はこのJIJUFIN試してみてください。ハマるかもしれません。
JIJUFINがリリースされたことでJIJU-JETって終売になるんでしょうか?
ここまで記載してきた通り、私には正常進化版というよりも「また別物」と感じられるので、
個人的には異なる選択肢として販売を続けて欲しいなと思います。
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